東京地方裁判所 昭和45年(ワ)8879号 判決
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〔判決理由〕二 次に被告の責任原因につき判断する。
被告が被告車の保有者であることは当事者間に争いがないところ、原告が自賠法三条所定の他人に当るかどうかにつき考えるのに、<証拠>によれば、原告は住宅を戸別に訪門して洋服生地を販売することを業とするものであるが、本件事故の二〇日ないし一月位前から、被告との間に、右戸別訪門のため被告が被告車により原告を継続的に運送する請負契約を結び、以後被告はほとんど連日被告車を運転し原告を同乗させて右運送をしていたこと、右戸別訪門は日毎に場所が異るうえ住宅地を廻るため、原告を乗車させる場所やその日の行先は日毎に原告が指示し、また住宅地に入つてからの進路は助手席に同乗した原告がその都度細かく指示し、被告はその指示どおりに被告車を運転していたこと、運送代は一日三〇〇〇日とし、燃料費と運送中の被告の食事代は原告が負担する約束であつたこと、本件事故も右のような運送途中に発生したことがいずれも認められ、右事実によれば原告は本件事故当時、被告と並んで被告車の運行を支配しその運行により利益を得ていたもの、即ち運行供用者に当るものと判断するのが相当であり、従つて原告は自賠法三条の他人に当らないものというべきである。よつて被告は原告に対し自賠法三条の責任を負わない。 (浜崎恭生)